SSブログ

嗚呼、ER! その後 〜アメリカ医療現場レポート 3〜 [医療]

さて、ER受診後ぴょんちゃんはすこし復活しました。が、やっぱり夕方から夜にかけて、吐き気と腹痛がでるんですね、、、。はじめはウィルス性嘔吐症かと思っていたんですが、発熱、下痢はまったくないまま、こういう症状が続くと、アセトン血性嘔吐症?とか私たちは思い始めました。そういういみではグルコースの点滴は聞いた様に思います。

で、こちらでレジデントをしているお友達の日本人ドクターにゾフランをわけていただきました。
なんとこっちではゾフランシロップとかもあって、2歳以下の嘔吐症にはプリンペランではなく、ゾフランを使うそうです!もともとゾフランは抗がん剤の副作用の嘔吐に適応があって、日本ではまだ普通の嘔吐症には保険適応外のはずですが。
ゾフラン、よく効きました!ほんとにぴたっと吐き気も腹痛も止まりました。

で、病日12日目にして、ようやく元気になりました!子供の回復時ってのはほんとに急激に回復しますが、ほんとにほんとに突然回復してしまいました。
ああ、よかった。

それにしても、、、、日本で嘔吐症で12日も長引く事はないよなあ、、、、、。

点滴をしない、っていう医療経済の効率化と、そのために病気が長引いて、両親が交代で半日ずつしか仕事をしない、っていう社会経済のデメリットは、どっちが大きいのだろう??

そもそも、こちらの医者は保険会社から圧力がかかっているのかなあ?医療費を使うと、実際払うのは保険会社だし。(我が家の保険は、ネットワーク内の病院だと10%負担、ネットワーク外だと30%負担、と結構いいやつなんですよね。)
もしみなさま「ジョンQ」をまだ見ていなかったら、ぜひ見てください。アメリカの医療のひずみが描かれています。


nice!(0)  コメント(11)  トラックバック(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 11

yamakaw

初期輸液は生理食塩水でというのは間違ってないように思います。その点については、ちょっと過酷な表現じゃないかと思います。T1みたいな低張液で初期輸液するのは日本だけの風習だと聞きおよびます。K先輩などこの慣習への反対派の急先鋒ですよ。

実は私も最近、脱水だと思ったらT1じゃなくて生食で始めるようにしているんですが、顔色や活気の改善度がT1よりかなり迅速なような気がします。電解質に酸-塩基平衡と血糖なんてうちみたいな貧乏病院でも2分で出来ますし、数字を見てから修正を加える方が、「糖尿病性ケトアシドーシスの子に糖液を投与してますます病状を悪くした」と言われるより余程マシかと思います。実際に低血糖ならワンショットで投与したいですし。成人でも内科の気の利いた先生はヴィーンFとか使っておられます。

ただまあ、確かに40ml/kgを一気にというのは多すぎるようにも思いますね。当初の説明やフィジカルの取り方と、言行不一致が過ぎるように思います。逆切れされてたんじゃないでしょうか。「おめーらが言うように点滴してやるからとっとと帰れ!」みたいな内心の声が聞こえます。この点はひどいなと思いました。弁護のしようがないですね。
by yamakaw (2006-11-26 13:06) 

pyonkichi

yamakawさま。
さっきちょっとexcite してコメント書いちゃったので書き直しです。

たしかに。初期輸液に等張液ってのは間違っていないと思います。
でも、、、、丸二日経口摂取ろくに出来ていなくて、やっぱり糖はいれてほしいですねー。
>「糖尿病性ケトアシドーシスの子に糖液を投与してますます病状を悪くした」と言われるより余程マシかと思います。
結局、こうやって、どんな馬鹿な医者がろくに患者をみもせず治療を初めても、失敗しない様な医療にアメリカはなっているんだと思います。ガイドラインのつくりかたも、しっかりしているとき聞きますし。ウィルス性嘔吐で脱水はないと言い切っておきながらこれはあんまりかと。

問題は、こちらではクリニック(診察のみ)のつぎは、その日に処置をうけたかったら、ERしかないということです。
で、ERの医者は死にそうな患者しか治療しない、ということです。
日本みたいに「ちょっと点滴しておきましょかー」なんてなまぬるいことはしないんですね、よくも悪くも。

ちなみに検査の結果、娘は 低張性脱水でした。(だから尿も保たれていたんですね)BUN17 Cr0.5で輸液してよかったと思います。生食も正しかったと言えます。しかし糖も明らかに必要でした。
その場合、どうなんでしょう?ソリタT1で開始して、90mEq/lのNaと糖入りで最初から輸液した方が、(重症でない)一般小児の治療としては、適しているように思いますが、、、。生食を点滴されても、ちっとも回復したようには見えませんでしたよ。糖を入れてようやくです。

でも、、、、ほんとにひどい目にあったと思いました。こういう気持ちは、きっと実際こっちで医療をうけてみないと分からないんだろうなあ、、、、。
日本がこんなふうになってしまったら、おしまいだと思います。
by pyonkichi (2006-11-26 18:11) 

ai

おお、ちょっとブログ見んうちにすごいことが起こってるにゃー
急激な回復というくだりを読むまではハラハラしていたよ。時差ありだけど。
アメリカの医療っていうのもスゴイもんだね。
以前、保険適応外になるから離婚できない夫婦の話を聞いたが、こういう記事を読むと納得。
ぴょんちゃん、元気になってよかったね。
by ai (2006-11-26 19:28) 

pyonkichi

aiちゃん、心配してくれてありがとう。おかげさまですっかり元気です。反動か、ほんとにものすごく食べる様になりました。嫌いだったものにもチャレンジして口に入れる様になるし。ひもじい思いはさせてみるもんなのかも。なんたって飽食の時代やしね。ははは。

アメリカでは、お金がないと医療が受けられない。訴訟もものすごく多い。医者にとっても患者にとってもいいことなしです。
日本がそうならないように、なんとかしないと、、、、。

だいたい、なんでもアメリカアメリカって日本じゃいわれるけど、
アメリカの医療なんてほんとサイテーです!!
by pyonkichi (2006-11-26 22:13) 

元小児科医

こんにちは。嘔吐下痢が12日続くなんて。考えただけでもぞーとします。うちの息子も昨日から、上、下へのフルコースがきております。嘔吐はナウゼリン座薬で止まりましたが、下痢は夜中じゅうしておりました。家で点滴もしましたが、なかなかです。初期輸液って研修医の頃は”1号!”と迷わず教えられていたものですが、やはり時代とともにかわるものです。主人(救急系から言わせると、1号って怖くない?とよく言われておりました。確かに、疑問は残るところです。常に新しい知識は補充しておかないとといつも思いながら、夢の中に入っていく今日この頃です。
by 元小児科医 (2006-11-27 09:02) 

pyonkichi

元小児科医さんのこんにちわ。お子さん、お大事にしてください。ところで、どうしてソリタ1号が怖いのでしょう?おしえてください。
by pyonkichi (2006-11-28 03:55) 

元小児科医

くわしく議論を交わしたことがないので、よくわかりませんが普段生食や乳酸リンゲルをバンバン使っているからでしょうか?感覚で行っただけだと思うのであまり気に留めてはいないのですが。話は変わりますが、輸液に関して、小児科の商業雑誌に、維持輸液は3号が正しいかどうかの議論などはいろいろなところに掲載されていますね。
by 元小児科医 (2006-11-29 14:53) 

pyonkichi

そうそう、初期輸液がT1が危ないなら維持輸液の3号も疑問だなあと思っていたところでした。やっぱりそういう流れになるんですね。
ではなにがいいんでしょう?その雑誌にはなにが推薦されているんでしょう?
by pyonkichi (2006-11-29 23:22) 

元小児科医

たびたび失礼いたします。参考にした雑誌は、小児内科2006年6月号です。輸液療法ー新しい知見という特集で、Na濃度は35Meq/lよりこくすべき側の意見としては、リンゲル液と同等のナトリウム濃度(ヴィーンD)などです。しかし、病態を考えずに一律にこくすべきではないという意見も掲載されております。今年の出版物なので、東京医学社などで購入が可能ではないでしょうか。また、少し古めですが、2003年7月号に、脱水の評価と輸液の戦略という文献もありました。もし、御必要でしたらPDFファイルに落として、お送りできますが。フリーメールのアドレスで添付可能でしたら、私のブログのコメントに残しておいてくだされば、幸いです。確認しだいすぐに削除いたしますので。
by 元小児科医 (2006-11-30 13:10) 

元小児科医

私のブログのコメント受付を非公開に設定いたしましたの、フリーメール以外のメールアドレスでも送っていただいても大丈夫です。ブログ上には公開しないようにいたしておりますので。よろしくお願いいたします。
by 元小児科医 (2006-11-30 13:23) 

pyonkichi

元小児科医さん、お返事遅れてすみません。ありがとうございます!ブログにコメントを残させていただきます。
by pyonkichi (2006-12-02 11:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。