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産科の先生、死なないで [医療]

奈良で妊婦の方が搬送先の病院が決まらず、死産されたニュースが巷をにぎわせております。
奈良県立医科大学が、救急要請があった時の、産科医の当直勤務体制について報告しています。

http://www.naramed-u.ac.jp/~hp/20070831.pdf

みなさん、ぜひこれを読んでください。
この勤務状況は、この日に限った事ではないと思われます。
そして、これはここだけの話でなく、全国の産科の先生はこうやって身を粉にして働いておられるのです。

正直、わたしが産科の先生の家族の立場にあれば、「もう産科医をやめて。死んじゃうよ」というでしょう。

産科は厳しい状況ですが、産科だけではありません。
医療はいまたいへんぎりぎりの状態で綱渡りしているのです。

医療費削減なんて言っている場合ではありません。
医者は絶対的に足りない。
いまの医療費は格安すぎます。それはひとえに、医者がただ同然で死にそうになりながら働いているから、いまのコストで押さえられているのです。


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名誉毀損、勝訴! [医療]

時事通信より
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070730-00000144-jij-soci

「週刊女性」側に55万円賠償命令=元東京女子医大医師の名誉棄損−東京地裁
7月30日20時1分配信 時事通信

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で2001年、心臓手術後に女児が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われ一審で無罪となった元同病院医師佐藤一樹被告(43)が、「週刊女性」の記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の「主婦と生活社」(中央区)を相手に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、名誉棄損を認め、55万円の支払いを命じた。
 石井忠雄裁判長は、佐藤被告が手術ミスをしたとする記事について、「真実と認めることはできない」と述べた。 

*****

正直、1100万円の損害賠償請求で55万円は安すぎです!
ここはばしっとでかい金額の賠償命令をだしてほしかった。
メディアはやり過ぎです。がつんと抑制するだけの判決がほしかったところです。

しかし、とりあえず、勝訴です。

佐藤先生が名誉を取り戻される事を、切に祈っています。


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奈良、大淀病院事件を考える2 [医療]

はじめに、お亡くなられた方、そしてご遺族の皆様方に深甚なる哀悼の意を捧げます。

2006 年 8 月 8 日、その事件は起こりました。
以前このブログにもこの事件のことを書きました。
http://blog.so-net.ne.jp/kyouteniiretamono/2006-10-25

ご遺族は、この事件の真実をお求めになろうと、2007 年 5 月 23 日、亡くなられた患者さんを最初に担当した奈良県大淀町、大淀町立病院の元産婦人科部長と大淀町を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こされました。

さぞかし、家族の方は無念だろうと思います。
事件の詳細は、報道記事でしかわかりません。
しかし、子癇発作と脳出血の合併は、きわめてきびしい病状であったことはたしかです。
この民事訴訟は、誰かを救えるのでしょうか?
ご家族を悲しみから救えるのでしょうか?
真実、と言われるものが、医師の過失なし、というものであったとしても、
受け入れられるのでしょうか?

わたしは医師として、大淀病院産婦人科医の過失でこの患者さんが亡くなったのではない、ということを信じています。
以前にも書きましたが、同じ事を繰り返さないためには、医療システムを根本から立て直す必要があるのです。

国民ひとりひとりが、次は自分の番だと思うべきです。
いまの医療システムでは、誰におこってもおかしくない事件なのです。


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わかりやすい、医療崩壊 [医療]

三重県医師会がわかりやすい、医療崩壊についてのフラッシュをつくっています。
ぜひご覧ください。

http://www.mie.med.or.jp/hp/iryou/flash.html


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亀ですが、大野病院事件第3回公判のリンク [医療]

3月に行われた大野病院事件第3回公判の傍聴記録が下記のリンクであります。
いまごろリンクするのも遅いのですけれど、記録として残しておきたいと思います。

ロハスメディカル
http://lohasmedical.jp/blog/2007/03/16/
http://lohasmedical.jp/blog/2007/03/post_534.php

周産期医療の崩壊をくいとめる会のHP
http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=%C2%E8%BB%B0%B2%F3%B8%F8%C8%BD%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6%2807%2F3%2F16%29


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大野病院事件 第二回公判 [医療]

大野病院事件 第二回公判の傍聴記録が以下で読めます。

紫色の顔の友達を助けたい
http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/dr_cd55.html

周産期医療の崩壊をくい止める会
http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=%C2%E8%C6%F3%B2%F3%B8%F8%C8%BD%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6%2807%2F2%2F24%29

ロハスメディカルブログ
http://lohasmedical.jp/blog/2007/02/post_489.php

証人の先生方がきちんと証言されているのでほっとしました。

それにしても双葉病院の産科の先生が、
32年の医師生活で、30年一人医長というのを呼んで、たまげました。
すごすぎる、、、。わたしには耐えられない。
やはり、産科医不足は今に始まった事ではないのだなあと実感しました。


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我々は福島事件で逮捕された産婦人科医師の無罪を信じ支援します。 [医療]

新小児科医のつぶやきさんの2.18企画に賛同して。
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070207
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070218

昨年2月18日は、福島事件で産婦人科医師が不当逮捕された日です。
警察はカルテ保全などすべてすませておきながら、
しかもK医師は一人医長でずっと診療を続けていたにもかかわらず、
”逃亡、証拠隠滅のおそれあり”として逮捕、身柄を拘留しました。
先日、初公判があったばかりです。
胎盤癒着は予測不可能な上、高度な医療判断と技術が必要とされる疾患であり、
刑事事件として取り扱うべき事件ではありません。
医師が誠意を尽くした上で、不幸な結果になってしまった症例を、
一つ一つ刑事事件として取り上げられたら、
人は病気で死んではいけない、ということです。

人は死にます。
死ぬ事だけが、人間に平等にあたえられたものです。

*****

この事件をきっかけに、私も医療崩壊について関心をもつようになりました。
患者さんの事を自分の世界の中心において、日々働いていましたが、
自分の子供をもち、患者さんが中心にならない生活をはじめると、
これまで当然として働いていた世界が、実は異常であった事に気づきました。
もちろん、
その当時の自分を誇りには思います。
けれど、それでは成り立たない医療構造があって、
すでに崩壊しかかっていたのも事実です。
研修先の大病院から大学病院へ帰った時、あまりの構造の違いに驚き、怒りを覚えました。
教授にもかみつきました。
なぜ、医局の医員たちひとりひとりを大事にしないのだ?
このままだと、だれか、いつか、病気や事故で死んでしまう。
教授はそれに対して保証するつもりはあるのか?!、と。
まるで宇宙人を見るような目つきでみられましたが、、、。
寝ずの当直明けに車を飛ばして1時間かけてまた違うバイト先に行く途中の事故にあっても、
それは自分で生命保険にはいっているのが当然で、
医局は責任を負わないらしい。
しかし、わたしが医師の妻なら、絶対教授を訴えます。
私が死んだら、私の母親は過労死認定を訴えるでしょうし、
個人的に教授を訴えるでしょう。
毎日出勤時間、帰宅時間、当直回数をメモしていましたから、、、、。
大学病院当時、バイトも何も入っていない日は月に2日くらいでした。
土日はどこかのバイトか当直、平日は朝8時から夜12−1時があたりまえ。
NICUにいたときは、朝7時から夜1−2時がほぼ毎日でした。

*****

今の医療は、医療者の驚くべき低賃金と自己犠牲によって成り立っています。
このような状態で、質のいい医療を提供しろという方が間違いです。
ぜひ一般の方は、今の医療について興味を持って考えてみてください。


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「紫色の顔の友達を助けたい」管理人さんへのエール [医療]

この2月8日に、東京女子医大事件の被告であり、一審で無罪判決を得た佐藤先生が
東京女子医大と当時この事件の内部調査委員会委員長であった、元泌尿器科教授を提訴しました。

http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_7c34.html

大学が発した虚偽の内部報告書により、この事故の責任を押し付けられました。
佐藤先生に陰ながらエールを送りたいと思います。
とかげのしっぽきりのように、誰かを犯人に仕立て上げればいいだろうとした、女子医大の態度は、医療者として風上にもおけないと思います。

あまりネットでもこのニュースの記事は読めなかったのですが、
上記ブログに紹介してあったニュースの一部を以下に転載します。

m3.com.Community (医療専門サイト)
無罪医師、女子医大を提訴 「手術事故の調査は誤り」
07/02/09
記事:共同通信社
提供:共同通信社
ID:476431
 東京女子医大病院で2001年、心臓手術を受けた群馬県の少女=当時(12)=が死亡した事故をめぐり、誤った内部調査で名誉を傷つけられ解雇されたとして、当時の担当医 =業務上過失致死罪に問われ1審無罪、検察側控訴=が8日、大学と調査責任者の教授に、損害賠償や未払い賃金計約8300万円を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、内部調査委員会は01年10月、担当医による不適切な人工心肺装置の操作が患者の死因になったとの報告書を公表。その後担当医は業務上過失致死罪で起訴され 、大学も解雇された。
05年11月の東京地裁判決は「人工心肺装置に取り付けられたフィルターの目詰まりが直接的な原因で、担当医は事故を予見できなかった」として無罪を言い渡した。
担当医は「報告書が虚偽だった結果、捜査機関に誤って逮捕された。それを根拠に解雇するのはマッチポンプだ」と訴えている。
東京女子医大広報室は「訴状が届いておらず、コメントは控えたい」としている。


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