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柳沢厚生労働大臣の失言につき [社会]

遅めのネタですけど、柳沢大臣の「女性は産む機械」失言につき、以下の記事を読みました。

中国新聞ニュース(1/31/07, http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200701310249.html)

「苦境、理解されてない」 柳沢発言に女性たちが抗議 '07/1/31

女性を「産む機械」などと発言した柳沢伯夫厚生労働相に対し、子育て世代の女性たちから抗議が相次いでいる。比喩(ひゆ)への不快感ではない。「女性がもっと頑張ってと言われるとは…。産みたくても産めない状況が、大臣に理解されていないと分かった」。少子化対策の“旗振り役”の姿勢が厳しく問われている。

     ▼本質

 「今回の失言で女性は単に機械に例えられたことだけをヒステリックに怒っているのではありません」。十二歳と九歳の子供がいる札幌市の内科医(44)は強調する。

 「少子化の本質は、産むことにたくさん不安要素を抱えているから。それを大臣がまったく理解していないと確信することができた」という。「子供を育てるのは家族であり、社会全体であるはず。ポイントは男性の意識改革と子育て支援であり、社会のために子供を頑張って産んでくれという意識では少子化は改善しない。機械の例えを謝罪しているばかりの大臣に今後、意識の変革は期待できません」

 「こういう人が厚生労働大臣であることが悲しすぎる」と嘆くのは、昨年四月に二人目の子供を産んだという千葉県の会社員。勤務先には、二人以上の子供を持つ社員は少ないという。

 「二人目を産むのは勇気が必要。昇格には明らかに影響し、重要な仕事からは遠ざかる。それが二人以上の子供を持つ母親の現実です。実家が遠いと日々の暮らしも綱渡り。保育園、学童保育、病児保育などの早急な充実を望んでいます。そんな中、政策の中心にいる方のこのような発言。脱力してしまいます」

     ▼苦境

 「(女性は)産む役目の人という認識の低さに、大いに幻滅。このような人を『適材』と考える安倍首相の見識も疑ってしまう」と言うのは、石川県出身で夫と娘とともに海外で生活する契約社員(35)だ。

 「妊娠中は仕事と物理的な苦しみのダブルストレスに耐え、出産後は保育園やベビーシッターを確保するために東奔西走。復職すれば睡眠時間を削って育児と仕事の両立をはかり、時に子供が熱を出せば職場と保育所の板挟み…揚げ句の果てに『産む役目の人だから当然』とこれらの苦境は捨て置かれ、切り捨てられるのでしょうか?」

 少子化対策担当の政治家に、一カ月の子育て修業義務付けを提案するのは四歳の娘が一人いる横浜市の弁護士だ。「今回の発言は少子化対策が現場を知らない人たちで決められているという失望感を女性に与えたことが最も問題。本気で挽回(ばんかい)したいと思うなら、これぐらいのことをしないと駄目」というのが理由だ。

 「子供の送迎、シッターの手配、食材の手配や調理、掃除、ゴミ出しの段取り、家計のやりくり、習い事や通院の段取り、もろもろを責任持ってやってみろ!というわけです。もちろん、それぞれの仕事もその間続けていただきます」

 「出生率が下がっているのは『子供を産んでも幸せに暮らせないかも』という気持ちが女性にあるから」と話すのは東京都内の会社員(46)。「『産めよ増やせよ』ではなく、子供を産みたい人が産めるように支えるのが仕事であって、大臣が女性に『頑張れ』なんて向いている方向が違う」

 (意見は働く母親らのためのウェブサイト「ムギ畑」を通じて募集)

ー以上、引用おわりー

フムフム、みんないい事言ってくれてるねー。
そうなんですよ、女性は「機械」呼ばわりされた事を怒っているんじゃないんです。
女性が産めばそれですむ、みたいな発言であるように思われるところに問題があるんですよ。
女性は子供を産み、育て、仕事をし、キャリアと子育ての狭間で揺れながら、さんざがんばっているんですよ。そういう現実をさっぱりわかっておられないようだ。
いったい少子化対策、って何をするおつもりなのか?
机上の空論で捕らぬ狸の皮算用してもらっちゃこまるのだ。

しかしながら、野党の方々、意気揚々と辞任要求するのもまたみっともない。
まあそれが政治家のやり方なのかもしれないけれど。

だいたい、大臣のスピーチは全体像がさっぱりわからない。
マスコミは、ぜひ全文を引用してほしい。
でないと、文脈が読めないではないか。
その上で、抗議すべきだろう。

ま、わたし個人的には、この大臣には全く信用がおけないので、やめていただく事は大いに結構なのだが、それとは別に、

ちょっとした失言で、そうやんややんや言って、辞任請求するのもいかがなもんか。
また、これでやめてしまうのは、あまりにへなあちょこじゃないの?
とも言える。
そういう意味では、わたしは阿部首相の態度は気に入っている。
ばっさり謝って、でもそれ以上ひかない。辞めさす気はないと言う。本人が、かの大臣をまだ使いたいと思っておいでなら、それはとてもわかりやすい態度だ。
支持率はさがったとかどうとか、マスコミは言うけれど、
まあそれは、なんつーか、首相が変わったときの洗礼みたいなもんよね。
私自身は阿部総理のインテリゲンチャっぽい、ひょうひょうとしたおだやかな感じが好きなんだけど。
あえて言うなら、
なぜ、柳沢大臣を続投させていのか、
その理由を教えてほしい。
どのようなことを彼に期待しているのか、続投させるだけの理由を教えてほしい。

また、柳沢大臣本人にいたっては、
「女性を傷つけてしまって申し訳ない」といったような、
的外れの謝罪は辞めてほしい。
それより、上記新聞記事のように、なぜ、女性が怒っているのか、
真摯に現場の状況を、女性の社会での立場を、現代家族のあり方を、
じっと見つめてほしいと思います。
その上で、自分の発言のどこが間違っているのか考えてほしい。
まあー、そんなこと期待する方が、無茶かな。
政治家にそんな事を期待するのは、
白馬に乗った白タイツの王子様を期待するようなもんやね。ははは。

まあー、戦前生まれはもう政治家やめといて、というのが私の本音です。


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まつばら

阿部さんが辞任させないのは,すでに本間,佐田の二人を辞任させているから.
これ以上辞任させたら,阿部さん自身で選んだことが否定することになりますからね.

確かに近年の議員は何を勉強しているのやら,というか日本の議員全体ですね.

海外を見渡すと,
リンカーン大統領は
「The Goverment of the people,by the people,for the people(人民の、人民による、人民の為の政治)」

ケネディ大統領は
「祖国があなたのために何ができるかを問うより、あなたが祖国のために何を行うことができるか問うてほしい。」
And so,my fellow Americans: ask not what your country can do for you - ask what you can do for your country.

チャーチル首相は
成功とは、意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである
(Success consists of going from failure to failure without loss of enthusiasm.)

過去を遠くまで振り返ることができれば、未来もそれだけ遠くまで見渡せるだろう
(The farther backwards you can look, the farther forward you are likely to see.)

築き上げることは、多年の長く骨の折れる仕事である。破壊することは、たった一日の思慮なき行為で足る
(To build may have to be the slow and laborious task of years. To destroy can be the thoughtless act of a single day.)

などといった名文を残しています.

「美しい国,日本」ってのは後世に継がれる名文となるのでしょうかね???



少子化対策について,
確かに日本は高齢化社会となっています.
しかし,10代の人工妊娠中絶率は増えています.
でもって,小学校高学年から始まる性教育は避妊法です.
これじゃあ,生命の誕生を失敗してできたものって教えていることにならないですか?

初めに生命の誕生の喜びを教えるのが大事なのでは?


なんかたくさんコメントしすぎましたかね.
by まつばら (2007-02-04 22:31) 

pyonkichi

まつばらくん、コメントありがとー。
偉い人はいい台詞をたくさん残してますね。
こっちにきて面白いと思ったのは、ブッシュの失言カレンダーというのがあるんですよ。日めくりカレンダーで、毎日ブッシュの過去に言った失言が書いてあるんです。365以上あるってことよ!笑っちゃうわ。
アメリカ人は自分たちのリーダーをそうやってジョークの種にしちゃうんですね。あきらめているのか、寛容というか、、?
たとえば、「イラク戦争で腕をなくした兵士とよろこんで握手しよう」とか、、、ひどい発言だなあとか思うんだけどね。握手する腕がないんですけど。

「美しい国、日本」というのが名文となるかどうかは、後になってみないとわからないでしょう。
ただ、日本を離れている身としては、日本の美しさ、文化のすばらしさを、日本人はもっと大事にすべきだし、誇りにすべきだと思います。ほんの些細な日常的食事のひとつや、こまやかな配慮、習慣など、日本はいいなあと思うところは、本当にたくさんあります。
それは、日本を出てみないとなかなかわからないのかもしれません。
日本は世界に誇る歴史も文化も技術もあります。
英語教育の話にもつながりますが、国はもっと奨学制度かなにかつくって、もっと多くの若者を一年アメリカにでも留学させたらいいんじゃないかと思います。世界の中で自分の位置を再認識して、自国を見つめ直す事は大事な事だと思います。
第二次世界大戦後、日本人は自信を喪失したまま、日本が過去犯した罪を責めてきました。
けれども、日本人が歴史的に本質的に持っているすばらしさを、改めて認識して、自国を責めるのではなく、尊重し愛する事が大事だなあと思います。こういうと、すぐに軍事国日本を連想する方々も多いみたいなんですが、
自分を大事にする事、
家族を大事にする事、は
命を大事にする事、社会を大事にする事、国を大事にする事、に
つながると思うんですよね。
そしてそれは、教育しないと育まれない。とくに現代日本においては。

>初めに生命の誕生の喜びを教えるのが大事なのでは?
私もそう思います。
京都の中学だったか、足立病院に見学にきて、男の子が分娩台にのったり、新生児室の赤ちゃんをみたり、そういう実習があったと聞いた事があります。うちの娘がいた保育園では、これまた中学生が保育士さん体験、みたいに子供たちの世話をしにきていました。少子化で核家庭で、近くに赤ちゃんを見ない社会になった今、そういう体験も大事かなあと思います。
by pyonkichi (2007-02-05 00:24) 

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